全日本学生柔道体重別団体優勝大会は、毎年兵庫県で開催される大学日本一を決める団体戦です。
チームは男女とも7人の階級別で編成されており、エントリーした階級よりも一つ上の階級で出場することも可能です。
ウォーミングアップの様子です。
密度が高くて畳の外でウォーミングアップをしている選手もいましたね。
開会式は各大学の代表者1名だけの参加でした。
選手全員が参加すると、開会式を始めるまで時間がかかりますので、このスタイルは私的にはアリだと思います。
観客席は満杯で立ち見の人も多数おられました。
アナウンスでも詰めて座るように言っていましたが、人に対して席が少なすぎますので、あまり効果はないでしょう。
毎年観客席が溢れている状態ですので、会場自体を変える検討はしていないんでしょうかね。
兵庫県だとグリーンアリーナ神戸、大阪だと丸善インデックスアリーナなど、関西にも広い会場がありますので、学生、保護者のことも考えて会場変更を検討してもらえると嬉しいです。
あと、試合場の色が統一されていないのもカッコ悪く見えます。
決勝戦の様子です。
決勝戦では、試合場が一つに整備され、1階も一般開放されるので、より近いところで試合を観戦することが出来ます。
ハイライトをご覧ください!
https://worldjudo.net/2019/10/29/201910_all_japan_university_judo_team_match_by_weight_category/
試合結果
男子
1位:東海大
2位:国士舘大
3位:日本体育大
3位:天理大
女子
1位:東海大
2位:筑波大
3位:環太平洋大
3位:帝京大
注目の対戦は?
男子決勝戦:東海大 vs 国士舘大
結果は次の通り。
先鋒(+100):太田 彪雅 △-△ 飯田 健太郎
次鋒(-60):山本 達彦 △-△ 松村 将輝
五将(-66):内村 光暉 △-△ 橋本 静綺
中堅(-100):後藤 龍真 △-△ 山下 魁輝
三将(-81):渡邊 神威 △-△ 友清 光
副将(-73):立川 新 △-△ 三谷 大
大将(-90):村尾 三四郎 △-△ 岩渕 晃大
代表戦(-73):立川 新 〇-× 三谷 大
先鋒からいきなりハイレベルな対戦
太田選手は+100kgで今年の全日本選抜体重別選手権と全日本選手権で3位に入賞していて、飯田選手は-100kgで今年の全日本選抜体重別選手権で3位に入賞し、グランドスラム・ブラジリアで優勝している選手。
直近では今年の全日本選手権の3回戦で対戦しており、このときはGSの末、大内返しで太田選手が勝利していましたが、今回は引き分けでした。
試合は代表戦へ
先鋒から大将まで全て引き分けだったので、代表戦までもつれ込みました。
代表戦は両監督がジャンケンを行い国士舘大の鈴木監督が勝ったので、鈴木監督が抽選を引くこととなりました。
観客席の学生からは鈴木監督を応援する声があがっており、国士舘大は監督と選手で良好な関係が築けているような印象を受けました。
抽選の結果、-73kgの立川 新(東海大)と三谷 大(国士舘大)の代表戦となり、11分以上の死闘の末、立川選手の一本勝ちで東海大の優勝が決まりました。
代表戦では、長時間試合をしているのにも関わらず、お互い集中力を切らさずに自分の柔道を続けている姿を見て、やはり日本一を目指すチームの選手は心身ともに鍛えられているんだなと感じました。
決勝戦の動画を貼っておきますので、宜しければご覧ください。
男子3回戦:筑波大 ×-〇 天理大
結果は次の通り。
先鋒(+100):石川 竜多 ×-〇 中野 寛太
次鋒(-60):鷲見 仁義 ×-〇 樋口 裕大
五将(-66):湯本 祥真 △-△ 水戸 大生
中堅(-100):横内 晋介 △-△ 植岡 虎太郎
三将(-81):田中 英二朗 〇-× 笠原 大雅
副将(-73):石郷岡 秀征 〇-× 渡部 甲誠
大将(-90):田嶋 剛希 △-△ 瀬戸口 雄輝
大会二日目の初戦で筑波大と天理大の対戦となりました。
個人的に、筑波大が勝つと思っていましたが、2-2の内容で天理大が勝ちました。
天理大は前二つとれたのが大きかったですね。
この2勝で勢いに乗った印象を受けました。
2-2の内容差で大将戦にまわったとき、実績で上回る田嶋選手がポイントをとって筑波大が逆転するかと思いましたが、瀬戸口選手が指導2で抑え、引き分けに持ち込みました。
田嶋選手がもう少し早くペースを上げていれば、指導3までとれたかもしれない内容でした。
天理大の中野選手と樋口選手が見事な一本勝ちで勝利していたので、先鋒、次鋒戦は必見です!
余談ですが、天理大の穴井監督が、自分の学生が盛り上がりすぎて(?)応援をしているとき、静まるようにジェスチャーをしていました。
応援させてあげなよという意見もあると思いますが、監督が率先して相手に対する敬いを大切にしようとしている姿を見て私は素晴らしいと思いました。
女子準決勝戦:環太平洋大 ×-〇 筑波大
結果は次の通り。
先鋒(-63):嘉重 春樺 △-△ 明石 ひかる
次鋒(-78):青柳 麗美 △-△ 松井 絵名
五将(-57):白石 稚葉 △-△ 瀧川 萌
中堅(-52):渋谷 舞 〇-× 中村 伊織
三将(-70):田中 志歩 △-△ 中江 美裕
副将(-48):小倉 葵 △-△ 久保井 仁菜
大将(+78):秋場 麻優 ×-〇 粂田 晴乃
1-0で環太平洋大が優勢の状態で大将戦に入りました。
環太平洋大の秋場選手の方が実績で上回っていたので、最低引き分けるだろうと思っていましたが、筑波大の粂田選手が一本勝ちして筑波大が逆転勝利しました。
上手に支え釣込み足(小外掛け?)に入っていたので、是非動画をご覧ください!
総評
男子は日本体育大の2連覇に注目していましたが、メンバーを見ると阿部選手と藤原選手がエントリーしておらず、優勝するには少し厳しい印象を受けました。
案の定、準決勝戦で東海大に1-0で敗退していました。
日本体育大もフルメンバーだったら、結果は変わってたかもしれませんね。
そして今回優勝した東海大ですが、まさかの失点0での優勝。
驚きです…
日本体育大戦と国士舘大戦は結果こそ競っていましたが、失点0で優勝したことを鑑みると、東海大は他の大学と比べると強さが突出しているように思えます。
次に女子ですが、6月の団体戦で東海大が優勝していたので、今回の大会でも優勝すると予想していました。
決勝で筑波大を2-3で下し、東海大が初優勝を飾りましたね。
これで、東海大はこの大会で初めてのアベックで優勝した大学となりました。
東海大は6月の全日本学生柔道優勝大会でアベック優勝、今回の全日本学生柔道体重別団体優勝大会でもアベック優勝しました。
学生柔道の団体戦は年2回あるのですが、優勝校名をすべて東海大で埋めたのは史上初ですので、今年の学生柔道は歴史に残るものとなりました。