2019/7/14に、NHKにて「あの日あのときあの番組 柔道アテネへの激闘〜3強かく戦えり〜」が放送されましたね。簡単に内容を紹介します。
この番組は、井上康生選手、鈴木桂治選手、棟田康幸選手の3人の世界チャンピオンによる2004年アテネオリンピックの代表枠争いについて放送された番組の再放送です。
因みに、争った代表枠は-100kg級と+100kg級の2枠です。
アテネリンピックの代表選考は、4月に開催される選抜体重別と全日本選手権の結果が大きなウエイトを占めると言われていました。
3月末時点での選手たちの状況(戦績?)は次のとおりです。
井上康生
2003年世界選手権-100kgで優勝。
シドニーオリンピック優勝、世界選手権3連覇、全日本選手権3連覇の実績から世界最強の柔道家と言われている。
鈴木桂治
2003年世界選手権無差別級で優勝。
2003年の世界選手権代表選考会である選抜体重別で井上選手に勝って優勝したが、-100kgの世界選手権の代表は世界での経験と実績で井上選手より劣ると考えられ、-100kgの代表を外された。
このことから、鈴木選手は井上選手に勝って、-100kg級のアテネオリンピック代表になりたいという思いが強い。
棟田康幸
2003年世界選手権+100kgで優勝。
2002年の全日本選手権は、決勝戦で井上選手に判定負けし準優勝。
2003年の全日本選手権は3回戦で鈴木選手に判定負け。
2004年選抜体重別の結果
・井上選手
-100kg級に出場し、決勝戦で兄に一本勝ちして優勝し、アテネオリンピック-100kg級の代表をほぼ確実なものとした。
・鈴木選手
-100kg級に出場し、準決勝戦で井上選手の兄に一本負け。
・棟田選手
+100kg級に出場し、決勝戦で今まで負けたことのない選手に反則負け。
井上選手が選抜体重別で優勝したことで、-100kg級のオリンピック代表がほぼ確実となり、残り一枠の+100kg級の代表を鈴木選手と棟田選手で争うことになった。
2004年全日本選手権の結果
・井上選手
決勝戦で鈴木選手に指導により敗退。
・鈴木選手
決勝戦で井上選手に指導で勝利して優勝。
・棟田選手
準決勝戦で鈴木選手に指導により敗退。
アテネオリンピックの代表と結果
-100kg級の代表は井上康生。
アテネオリンピックでは準々決勝戦で敗退。
+100kg級の代表は鈴木桂治。
アテネオリンピックでは優勝。
感想
オリンピックの前年に世界チャンピオンになっても、代表に選ばれない可能性があるなんて本当に厳しい時代だったと思います。
まさに、世界で勝つより日本代表に選ばれる方が厳しいと言われた時代ですね。
私は代表から外れてしまった棟田選手の柔道に対する姿勢が素晴らしいと思いました。
棟田選手と鈴木選手は同い年で、中学から何度も対戦しているライバルでした。
そんな二人が最後のオリンピックの代表枠を争い、鈴木選手がその枠を勝ち取った後、棟田選手が鈴木選手に海外選手の情報をマンツーマンで伝えたと聞いたことがあります。
この棟田選手のバックアップがあったからこそ、鈴木選手はオリンピックで優勝できたといっても過言ではないのではないでしょうか。
これから東京オリンピックの代表選考会が始まります。
早ければ11月には代表が内定する選手も出てくるとのことですので、非常に楽しみです。
まずは、8月の世界選手権ですね!